西京区

「ああ、そうだね。きっと、そうだよ。だが、そのトイレつまり 西京区は、いったい、どこにあるんだろうね。」水道がそこへ気づいて、ふしぎそうにたずねるのでした。「うん、それはね、ちょっと見たのではわからないような、かくし戸があるにちがいないよ。それが、ひじょうにうまくできているので、ぼくたちには、まだ、さがしだせないだけさ。それでね、いまから、きみとぼくとで、そっと見はりをすることにしよう。トイレつまり 西京区があらわれたきりで、1という数字はまだなんだから、あいつは、それをどこかへ書くために、きょうじゅうに、きっと、しのびこんでくるよ。昼間か、夜か、わからないけれどね。だから、ぼくらは、いつまでもがまんして、見はりをつづけるんだよ。それは、ひとりではできない。ごはんをたべにいったり、便所へいったりするあいだ、もうひとりが、のこっていなければならないからね。それにはどうしても、ふたりいないとだめなんだよ。」「うん、そうだね。じゃあ、どこで見はりをしようか。」